<住宅ローン>元利金等返済と元金均等返済、どっちがトク?

執筆/伊藤加奈子

住宅ローンの返済方法は、自分でカスタマイズしよう

住宅ローンを借りるときに、金利ばかりに気をとられていると後悔することも。借入時にじっくりと返済方法を検討し、その後できるだけ手間をかけないことが、長期の返済を成功させる秘訣です。毎月の返済の仕方、ボーナス返済をするのか、最適な返済期間は何年なのか。こうしたことを自分で組み合わせ、カスタマイズしていくことが、今どきの借り方です。

毎月の返済額がずっと同じ「元利均等返済」と、総支払い額が抑えられる「元金均等返済」

毎月の返済方法が2種類あることを知っている人は、案外少ないかもしれません。返済方法といえば、毎月同じ金額を返済していくことが当たり前のように思いますが、実は2種類あり、そのどちらでも選択することができます(一部元利均等返済のみの金融機関あり)。

一つは、ほとんどの人が無意識に選んでいる「元利均等返済」。これは毎月の返済額が一定で、金利の見直しがない限り、返済終了まで毎月の返済額がずっと同じです。

もう一つは「元金均等返済」。これは、毎月の「元金」が一定で、利息が毎回変わります。返済初回が最も返済額が高く、2回目、3回目と利息が減る分、返済額が減っていくものです。

元利金等返済の概念図

元利均等返済の概念図

元金均等返済の概念図

元金均等返済
住宅ローン金利が高かった時代は、元金均等返済のほうが利息相当分を削減できるため、あえて元金均等返済を選択するケースもありましたが、今は超低金利のため、そこまでの利息の差はありません。家計の安定を図るためには毎月の返済額が一定のほうが分かりやすく管理しやすいため、ほとんどの場合元利均等返済を選択することになります。

例えば、借入額2000万円、全期間固定金利1.2%、35年返済、毎月返済のみの場合、どうなるか試算してみました。

◎元利均等返済

返済回数毎月返済額元金分利息分
1回目58,34038,34020,000
2回目58,34038,37919,961
3回目58,34038,41719,923
4回目58,34038,45619,884
5回目58,34038,49419,846
総返済額24,502,76620,000,0004,502,766

◎元金均等返済

返済回数毎月返済額元金分利息分
1回目67,61947,61920,000
2回目67,57147,61919,952
3回目67,52347,61919,904
4回目67,47647,61919,857
5回目67,42847,61919,809
総返済額24,209,80020,000,0004,209,800

同じ条件で借り入れた場合、元利均等返済では毎月の返済額が抑えられますが、総利息分は元金均等返済より30万円ほど多くなります。一方、元金均等返済では、総利息分は少なくなりますが、当初の返済額は元利均等返済より1万円近く多くなります。

総返済額で見れば、元金均等返済のほうがトクですが、当初の返済額が増えるため、その点に注意が必要です。元金均等返済をあえて選ぶとしたら、今は家計にゆとりがあるが、この先教育費負担があり徐々に返済額が減るほうがよい場合か、借入時の年齢が高く定年退職後も返済が続くなど、将来的に返済額を抑えたいというケースが考えられるでしょう。

借入額は毎月返済をベースに試算し、ボーナス割合は、ボーナスから返済できる金額を上限に

返済方法を考える際、もっとも大事なのは、毎月返済のみにするか、ボーナスからも併せて返済するかです。ボーナス併用を選択する際、注意しなければならないのは、毎月返済額を減らすことができるため、当初の予算より高い物件でも返済可能に思えてしまうことです。借入額を検討する際は、まず毎月返済のみで購入が可能かどうかをチェックしてみるべきです。

たとえば、借入額4000万円、全期間固定金利1.2%、35年返済で試算してみましょう。

借入額返済額年間返済額総返済額
毎月返済分ボーナス返済分毎月返済分ボーナス返済分
毎月返済のみ4000万円011万6680円0140万160円4900万6000円
ボーナス1割3600万円400万円10万5010円7万150円140万420円4901万6000円
ボーナス2割3200万円800万円9万3340円14万300円140万680円4902万6000円
ボーナス5割2000万円2000万円5万8340円35万750円140万1580円4905万5000円

ボーナス返済をなしとした場合、毎月返済額は11万6680円です。ボーナス返済1割の場合、毎月返済額は10万5010円と1万円以上少なくなります。ボーナス5割の場合は、毎月返済額は5万8340円で半分にすることができます。同じ借入額で、これだけの違いがでてくるわけです。しかし、年間返済額や総返済額はわずかではあるものの、毎月返済のみが最も少ないというだけで、ボーナス返済の割合を増やしたからといって返済がラクになるわけではないのです。

本来、毎月返済額がいくらまでなら無理がないかと考えるべきで、毎月返済額を減らすことが目的ではありません。また、ボーナスからもいくらまでなら無理がないかと考えると、毎月返済額を5万円に減らしボーナス時に35万円を返済することが家計にとって健全なのか、と考えることが大事です。

ボーナス返済をしてはいけないのではなく、毎月返済はいくらまで、ボーナスからはいくらまで、それで借りられる額はいくらなのかという順番で考えることが大事。企業業績に左右されるボーナスに頼った返済方法はリスクが高いため、それ相応の準備をして慎重に選択するようにしましょう。

基本は60歳で完済すること。60歳以降の働き方次第で最適な返済期間は変わる

返済期間についても、デフォルトのように35年返済で考えるケースが多いのですが、借入時の年齢が35歳であれば完済は70歳。このことを軽く考えている人が多いのも事実です。60歳で定年退職後も雇用延長や再雇用の制度を導入している企業が増えたとはいえ、定年前の収入から大幅に減額されるケースがほとんど。定年退職後も返済が続く前提での借り入れは、基本的には避けるべきです。

ただ、60歳までに完済しようとすると返済期間は短くなり、その分毎月の返済額は高くなります。こうしたことから、最長の35年返済で試算するケースが多く、退職金で住宅ローンを一括返済する人も多いのです。退職金が確実に受け取れるのであればそれもいいかもしれませんが、住宅ローンに退職金を使い果たし老後資金が不足するという事態は避けたいものです。

返済期間の考え方は、60歳以降も返済が続くプランであれば60歳時点でどのくらい住宅ローンが残るかを試算し、退職金の一部で完済可能なのか、65歳までなら収入が減っても返済を続けることが可能なのかといった観点でチェックするようにしましょう。35年返済で借りて、定期的に繰り上げ返済することで返済期間を短縮する、という考え方もありますが、現在の収入がずっと維持できなかった場合、やはり退職後に返済が残ってしまうことになります。

毎月返済額、ボーナス返済額、返済期間をいろいろ変えて試算し、自分にとってベストな組み合わせ、無理のない借入額にすることがこれからは大切になってくるでしょう。

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マンションを買うのにベストな時期はいつ?

一般に、家探しシーズンといわれる1〜3月は物件の流通量が多くなりますので、「買う時期」というよりも、「家探しをスタートする時期」としてぴったりなのは年明けからだと言われています。 ですが、それ以外の時期にいい物件が出ない、というわけでは決してありません。 住宅購入は大きな買い物ですから、思い立った時にまずは相談からはじめて、じっくりと情報収集していただくことをおすすめします。 中古マンションでは、市場に出た個人や企業が持っている物件を購入する形となります。家を売る理由は本当にさまざまですので、いい物件が出る時期は読めないうえに、一度市場に出たら数日でとられてしまうようなこともあります。「こんな条件が出たら買おう!」と事前に決めておくことが大事です。 また、新築マンションの場合は、売り主はマンションを建てたデベロッパーであることがほとんどです。その会社の決算期が近くなると家具や家電などのキャンペーンが増えることがありますが、最近では新築の供給自体が減っておりいい住戸は早めに売り切れてしまうこともありますので、ほしい物件であれば時期を気にせず早めに問い合わせてみることをおすすめします。

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マンション購入の頭金の決め方は?目安はあるの?

昔と違い、現在は頭金は0円でも購入できます。目安はありませんが、自営業や経営者の方は1割や2割の準備を必須とする金融機関もあります。 頭金0円の場合 メリット:手元に現金を多く残せるデメリット:金利が高くなる可能性がある、住宅ローンの借入額が多くなるため支払う利息も多くなる 頭金を入れる場合 メリット:支払う利息が少なくなる、借入額が少なくなるため審査が通りやすくなるデメリット:手元に残る現金が減る 今は空前の低金利の時代ですから、無理に頭金を多く入れる必要はありません。頭金を入れることに拘り、その後緊急時に手元に現金がなく別の借り入れをしてしまうのでは本末転倒です。 また、頭金は最低限にして、残った現金を運用したほうが、頭金を入れて利息を浮かせるよりも得になる場合もあるので、ファイナンシャルプランナーなどにライフプランから資金計画を相談するとよいでしょう。

Ryomizuchiのプロフィール写真水智崚

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諸費用の総額は売買価格の何%くらい?

目安として物件価格の7%~10%程度になります。(※物件価格や物件の評価額、住宅ローンを組む金額や金融機関により諸費用は変わります。) この諸費用を住宅ローンとして合わせて組む方法(諸費用ローン)もありますが、その場合住宅ローンの金利が上がってしまうケースもあるのが一つリスクであり、購入予定の物件価格によっては諸費用の額も大きくなりますので、毎月のローンの支払額がその分増えますから、「無理なく、安心して返済していける毎月のローン返済額なのか」と言う点を考慮頂く必要があります。 まずは適正な購入予算の算出をおすすめいたします。

TERASS編集部

引っ越し費用や家具購入費は資金計画に入れるべき?

必ずしも、購入における「資金計画」に入れなくても良いですが、 掛かってくる費用として算出しておくべき項目です。 ただ、どの程度の費用を見積もるかは各世帯にもよるので、参考となる項目を挙げておきます。 引っ越し費用 距離・荷物量(トラックと稼働するスタッフ数)・時期 (繁忙期は高騰)によって変動します。 3月などの繁忙期は通常期の1.5〜2倍の費用になることもあります。 家具・家電の購入費(新調する場合) 冷蔵庫・洗濯機・テレビなどの家電 カーテン・照明・ダイニングセット・ベッドなどの家具 新居の間取りやサイズ(窓のサイズ含め)が変わると、 買い替えが必要になることもあります。 他にも見落としやすい初期費用 照明の新調費用(中古・新築問わず) エアコン追加設置費(部屋数によっては数十万円)。 賃貸物件と違い、設備として備え付けられているものではありません。 インターネット関連、テレビアンテナ、 ケーブルテレビ工事費

TERASS編集部

ボーナス併用のメリット・デメリットは?

ボーナス併用のメリットは、ズバリ「月々の返済額の軽減」です。 年収の割合の内、ボーナス分が大きい場合、ボーナス月に支払いを回すことで、月々の返済が軽くなり、月々の返済額をフラットにして考えた場合だと支払いが厳しい物件金額でも、ボーナス併用にすることで、同じ金額の物件を余裕を持って買えることになります。 デメリットは、ボーナスが減ったり出なくなった場合も返済は続くため、家計が厳しくなるリスクがあることです。 ボーナス月はその他の支出が重なる傾向もあり、計画的に貯蓄や支出監理をしておく必要があります。 将来転職などを検討する場合にも給料形態(ボーナスがどれくらい出るか?)が転職先を選ぶ上でもネックになる可能性があります。 金融機関によってはプラン変更も可能ですが、一定の手数料がかかる金融機関も多いです。また、当然月々の支払額が増えます。

TERASS編集部

ボーナス併用はあり?

ボーナス併用は、人によってはアリです。 具体的には、ご勤務先のボーナス支給が将来に渡って安定している場合にはアリです。 ボーナス併用のメリットは、ズバリ「月々の返済額の軽減」です。 住宅ローンは、ボーナス返済にしたからと言って、総額の返済が減るわけではありません。 フラットにならした場合の毎月の返済額の一部を、ボーナス月に回しているだけですので、もし仮に将来的にボーナスが出ない月が発生した場合でも、ボーナス支払い分は払わないといけません。 35年や40年50年というローンを組む場合、将来に渡って安定的にボーナスが支給されるかをよくご検討ください。 もちろん、ローンと言うのは数年支払い続ければ「借り換え」というものも可能です。 転職などライフプランに変更が生じた際には、ローンの借入先を変更したり、支払いプランを変更する相談も可能ではありますが、一定の手数料などが発生しますので、よくご検討ください。 ボーナスが支給されなくても、ボーナス支払い分を払えるような貯蓄計画が実行できる場合や、絶対的にボーナスが支給される見込みであれば、ボーナス併用は検討しても良い支払い方法です。

TERASS編集部

転職直後でも借入できる?

場合によっては借入可能です。 選択する金融機関によって、借入可能か否か、いくらまで借入可能か、借入の際の金利(優遇幅)やその他条件に差が出てきます。 見られるポイントとしては、以下です。 転職直後とはどの程度か? 1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年など、転職してからの期間によって金融機関の判断が変わります。 1年未満という時点で審査対象にならない金融機関も多いですが、3ヶ月以上ならOKという金融機関もあります。 また、同業種での転職であればOK、上場企業(またはそれ同等)への転職であればOKという場合もあります。 雇用条件の証明書や、給与のエビデンスが必要です 給与や雇用形態などが記載された書面が必要です。正社員かどうかなどの確認もされます。 直近の給与明細なども必要です。場合によっては、前職の源泉徴収票などを求められることもあります。 その他、基本的な与信などの属性審査がありますが、これらは勤続年数や転職直後に限らず見られる部分です。 ご希望の借入可能額や、購入したい物件のエリア、そのエリアの相場、求める物件グレードによっては、 勤続年数を延ばしてから購入するという選択肢の方が良い場合もあります。 いずれにしろ、まずは現時点で可能性がある金融機関を数行ピックアップし、事前審査をかけてみることが重要です。 事前審査を行うことで、「どの金融機関で」「どういう条件で」「いくら借入が可能なのか」が分かります。 住宅購入の準備として、まず最初に行っておきたいステップのひとつです。

TERASS編集部

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