都内で戸建てに住みたい人が最初に知るべき“3つのこと”

現在、コロナ渦中で急激にニーズが高まっている「戸建て」の住まい。情報が充実し、比較がしやすいマンション探しに比べ、土地やハウスメーカーなど個別性が非常に高い「戸建て」の情報収集を始めるには、やはりその道のプロの話を聞くのが一番だ。

そこで、都内の戸建て購入を数多くサポートしてきた株式会社Activoの伊達さんに、お話をうかがった。

「戸建て」と「土地」に強いエージェントを選ぼう

―伊達さんは、都内の戸建てに非常にお詳しいと伺いました。

エージェントとしての経験の中で、戸建ての需要が多いエリアを数多く経験してきたため、エリアの相場観や、土地の広さや形状、そのエリアの条例等により何階建てが建てられるかなどはよく理解しています。戸建てを検討される方は、検討しているエリアの土地をよく知っているエージェントに相談することがまず大事だと考えています。

―エージェントによって、それほど違いがあるのですね。

その方にとって、戸建てがいいかマンションがいいか、5〜10年後もそこに住み続けるのか、家族構成は…など、様々なご状況をよく理解して、選ぶべきもの一緒に考え、その方にあったものを提案するのが仲介エージェントの仕事であり、それは共通していると思っています。

ただし、特に戸建てに関しては土地ごとの制限や広さや形状、接道の仕方などにより建てられるもの、ひいてはそこでの暮らしが変わります。地方であれば戸建てのほうが多いですから心配することではないかもしれませんが、東京に関しては、マンションの経験のほうが多いというエージェントも多いです。

そのため、土地をみて、「だいたいこれくらいのものが建てられそう」と示せるとか、「その条件であれば、このエリアのほうがよい」など別の選択肢を提示できるなど、土地の相場をよく知っているエージェントに出会えていない場合は、あまり具体的な提案が得られないこともあるでしょう。

「予算」・「エリア」・「広さ」の3軸が鍵

―たしかに、そういった経験豊かなプロが必要ですね。比較もしづらいため絞り込みが難しそうですが、まずはどういったことから考え始めればよいでしょうか。

まず決めるべきは、「予算」・「エリア」・「広さ」の3軸です。エリアと予算が決まっていれば、それだけでかなり絞り込むことができます。

エリアについては、あくまで相場ですので目安のひとつとしてお伝えすると、例えば城南(目黒・世田谷など)エリアでは、東急東横線を中心に、離れていくほど土地価格が安くなる傾向があります。そのため仮に予算や広さが譲れないのであれば、東急田園都市線や東急目黒線、小田急線や大井町線なども視野に入れて探していくことをご提案すると思います。

学芸大学駅周辺だと坪単価320万円くらいがだいたいの相場ですが、祐天寺や都立大付近で探せば、坪単価300万円のものも検討できるはずです。このあたりの予算だと、東側の区などでもかなり選択肢は広がりますね。

―コロナ渦後は、家族がゆったり過ごせる広さや庭のニーズも高まっています。必要な「広さ」の目安はありますか?

3人家族で、例えば庭も欲しい、となると、30坪の土地だと厳しいですね。「駐車場を兼ねた庭」だとしても、35坪(120㎡)は必要だと思います。

また、同じ広さの土地でもエリアによって2階建てしか建てられない場合もあります。東急田園都市線沿線などがあてはまりますね。

例えば35坪で、90㎡2階建て・車庫2台分(1台+庭とする)を8000万円未満で購入したい、という場合は、まず土地の予算が坪単価170万(6000万)のエリアとなります。となると、先程の東急沿線界隈で例えるなら小田急線だと少し厳しいですね。ただ、環七よりも先で選ぶと選択肢が多くなると思います。

他エリアでは、西武新宿線の環七以降、池袋線も環七以降、板橋などであれば3階建てが建てられるケースも多いですし。十分に検討できますよ。大田区の東急沿線以外、東急池上線などもいいですね。

―土地と建物に、それぞれいくらくらいかけるのか、という視点も必要なんですね。

目安としては、18坪(80㎡程度)の土地で5800万+建物2000万くらいが相場、と覚えておくと便利です。3階建がたつエリアとそうでないエリア、道路付け(接道の向き)によっても違うので、繰返しになりますが、やはり土地売りに慣れている仲介にお願いしないといけない。

慣れているエージェントであれば土地をみればどんなものが建てられるか教えてもらえるはずですから、必ず戸建てが多いエリアに長けた仲介業者の意見は聞いてくださいね。

―建物の予算について、注文住宅と建売の場合ではどのくらい違いますか?

注文住宅の場合、大手ハウスメーカーさんの場合は建物だけで坪単価110〜120万円くらいはします。先程の18坪の例でいえば、建物部分で3500万円以上と考えておくのがよいでしょう。この時例えば予算が7000万円だとすると、土地にかけられる予算は残り3500万です。板橋区や城東エリアであれば十分検討できます。

建売の場合は、坪単価60万〜70万円くらいをイメージするとよいでしょう。先程の例でいえば、建物に2000万円。その分、希望のエリアや駅に近い土地を選ぶためにお金をかけられます。仮に土地の坪単価を160万円とすると、杉並駅10分圏内、井の頭線、西武新宿線の10分圏内が検討できます。

「戸建ては高い」は思い込み

―マンションと戸建ての違い。プロとしての見方を教えてください。

まず「戸建ては高い」というイメージは間違っていると考えています。同じ予算でも、戸建てのほうが広い家が買えますし、これまでお話ししてきたとおり、都心に近いエリアでも問題なく検討できます。山手線沿線の池袋でも3LDK戸建てが7000万円で買えますし、駐車場などのランニングコストなどもなくなります。最終的にかかるお金で比べると、「こんなもんなのか」と気づいていただけるかと思います。

その上で、居住性という観点で比較をすると、やはりマンションはセキュリティ面が心強いこと、そして床がフラットなので生活がしやすい。ゴミ捨ても24時間できるなどの利便性が優れていますよね。駅からの距離が近くなることが多いですし。また、上下左右を他の住戸にはさまれた中住戸は、断熱性にも優れています。

戸建ては、やはりマイホームとして自由に暮らしやすい点が特徴です。下の階を気にせずに子どもを存分に走らせていい、など子育ての環境としても影響すると思います。駐車場などのランニングコストがなくてよいなどのお得な面もありますが、前述した中住戸と比べると冬は寒い、ということは否めないでしょう。

ただし、今の新築戸建ての断熱性能はかなり高いです。ご実家などでの経験とは違うと思うので、そこは期待して良いと思います。

まとめ

土地や戸建ての仲介の経験豊富な伊達さんが語る、都内で戸建てを検討する上でまず考えるべきポイントは以下の3つ。

  1. 土地探しは、そのエリアと戸建ての経験豊富なエージェントが必須
  2. 希望の「予算」・「エリア」・「広さ」と優先順位を考えておこう
  3. 戸建ては高いは思い込み。土地と建物にかけるお金のバランスを考えよう

個別性が高いからこそ、うまくやれば希望の条件がかないやすいとも言えるだろう。そのための心強いパートナーとして、戸建てに強いエージェントと早めに出会っておきたい。

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