不動産仲介の独立開業は30%が5年以内に失敗する?成功に必要な準備と資金を解説

不動産営業として働く人にとって、完全に独立して「〇〇不動産」という自分の会社を立ち上げることは、一度は夢見る選択肢ではないでしょうか。営業時間や休日は自分で決められて、成約時に得られる仲介手数料は100%自分の収入となりますので、成功すれば大きな収入が得られます。自分のスタンス=会社の方針になるため、自分や顧客の意に沿わない営業を行う必要もありません。

不動産仲介は、一般的に独立開業がしやすいと言われています。しかし、当然ながら開業するには資金と労力が必要ですし、開業したものの経営が長続きせず、短期間で廃業してしまうリスクもあります。この記事では、不動産仲介として独立開業するために必要なことや、経営が長続きしない理由、そして成功のポイントについて解説します。

不動産仲介で独立開業しやすい3つの理由

不動産仲介は、一般的に独立開業がしやすいと言われているのはなぜしょうか?主に3つの理由が挙げられます。

在庫として不動産を仕入れる必要がない

不動産仲介では自分で物件を在庫として仕入れる必要がなく、すでに流通していてREINSなどに登録されている住宅の売買を取りつげばよいため、最初に高額な資金を用意する必要がありません。したがって、開業時の銀行からの借り入れ金額も、比較的小さく済みます。

1契約あたりの取引金額が高額になりやすい

独立開業した際の収入となる、成約時の仲介手数料がすべて自分の収入として手に入るようになります。取引額が400万円を超えるケースでは、仲介手数料は物件価格×3%+6万円が一般的ですので、例えば5,000万円の物件を仲介すれば156万円もの収入となります。年間に10件前後の契約が獲得できれば、一定の年収を確保することが可能です。

前職の不動産営業の知識や経験が生かしやすい

前職が不動産仲介会社で、不動産取引に関する知識・経験があり仲介業務の一通りの流れを自分で出来るという方であれば、独立開業してもスムーズに仲介業務を行うことができます。また、宅地建物取引士の資格をすでに持っていれば、改めて資格取得の勉強をする時間や資格保有者を採用する手間をかけず、宅建業免許の取得へと進めていくことができます。

不動産仲介の独立開業の成功率は何パーセントなのか?

独立開業のハードルが比較的低いと言われる不動産仲介ですが、実際に成功して長続きするケースはどのくらいなのでしょうか?

不動産業の廃業率

国土交通省が発表している宅地建物取引業者数の推移を見てみましょう。

【宅地建物取引業者数と新規者数・廃業者数の推移】

年度宅地建物取引業者数新規者数廃業者数
2018年度124,3776,0325,367
2019年度125,5856,0284,820
2020年度127,1496,3494,785
2021年度128,4796,9965,666
2022年度129,6046,7255,600

※国土交通省「令和 4 年度末 宅建業者と宅地建物取引士の統計について」を基に作成、廃業者数は免許期限切れや免許取消なども含む、新規者数は前年からの宅地建物取引業者数の増加数ー廃業者数で算出

不動産業では、毎年6,000~7,000の新規登録がある一方で、4,700~6,000弱の廃業があることが分かります。宅地建物取引業者数 全体は125,000~130,000ほどですので、廃業率は全体の4%程度ということになります。

これらの数字は必ずしも新規開業した不動産屋の廃業数ではありません。確かなデータはありませんが、あるサンプル調査では、宅建業免許を取得した宅地建物取引業者数が、免許更新タイミングである5年後に実際に更新した割合が70%~80%だったという話もあります。逆に言えば、新規開業した事業者の20~30%が5年以内に何らかの理由で廃業しているということになります。

不動産業界に限らず起業した会社がどの程度長続きするかというと、一般的に「10年以内に9割以上が廃業する」と言われることがありますので、不動産仲介での独立開業が、極端に長続きしないという傾向はないのかもしれません。

しかし、毎年一定数の廃業があることを念頭に、いざ独立開業した後に経営が安定するよう、準備することが大事です。

不動産仲介の経営が長続きしない3つのパターン

独立開業後に安定した経営を実現するためには、逆に経営が長続きしなくなり失敗してしまうのにはどのようなパターンがあるのかを知っておく必要があります。ここでは、主な3つのパターンを解説します。

集客が安定せず、売り上げに波がある

不動産仲介は高額な取引なこともあり、もともと繁閑の差や商談・成約件数の振れ幅が大きい業界です。さらに、独立開業すると知名度や実績のないところからのスタートとなりますので、会社勤めの時と違い、会社の「看板」で顧客が相談に来てくれるわけではありません。

集客に苦戦しているうちに売上が立たない期間が続いてしまい、赤字倒産となってしまうリスクがあります。

運転資金が足りなくなる

独立開業した場合、開業時の初期費用はもちろん、開業後もさまざまなランニングコストがかかります。

■初期費用

開業時には、営業保証金を抑えられる宅建協会への加盟を行った場合でも、おおよそ400万円~700万円、事業の規模によっては1,000万円程度の開業資金が必要と言われています。

項目概算費用
事務所設置費用(物件・設備・通信など)180万円~420万円
宅地建物取引業免許の申請手数料(1都道府県の場合)3万3,000円
宅建協会への入会金・弁済業務保証金分担金(本店のみ)190万円~240万円
税理士や行政書士による設立手続き25万円~30万円
合計400万円~700万円

■ランニングコスト

開業後は、以下のような費用が毎月かかります。ランニングコストの金額は事業の規模により変わります。

  • 事務所の賃料、光熱費や電話代・インターネット通信費など
  • 事務所で庶務を担う従業員などの人件費
  • 什器やOA機器・事務用品代(机、パソコン、コピー機や名刺、文具など)
  • 集客のための広告費(Web広告、チラシ配布、ポータルサイト掲載など)
  • 各種業界団体の年会費
  • 税理士への報酬 など

これらのコストを軽く考えて、十分な資金計画を行わずに開業してしまうと、売上が軌道に乗る前に資金不足に陥ってしまう可能性があります。

事務作業に労力がかかりすぎる

会社勤めの時は、営業職が持ってきた案件の事務作業を担ってくれる事務スタッフがいたり、作業を効率化するさまざまなシステム・ツールが導入されていたりといったサポートが得られていることが多いと思いますが、独立開業するとこれらのサポートはありません。

売上が軌道に乗る前からいきなりたくさんの事務スタッフを採用したり、初期費用や月額費用のかかるシステムを導入することは難しいため、最初のうちはさまざまな事務作業を開業した方自身が行わなければなりません。

会社勤めを離れて自由な働き方を手に入れるつもりが、事務作業に追われて自分の時間を確保できなくなってしまい、「仕事疲れ」の限界を感じて短期間で断念しまうケースもあります。

不動産仲介の独立開業を成功させる5つのポイント

では、いち早く安定した経営を実現させて、独立開業を成功させるにはどのようにすればよいでしょうか?ここでは、成功のポイントを5つご説明します。

他社との差別化を図る

独立開業した当初は、自社のことを知らない顧客がほとんどです。漫然と幅広く広告を投下しても、ネームバリューある大手の不動産会社と比較して自社を選んでくれることはありません。顧客の興味を引くためには、ターゲットを絞り込んで、そのターゲットに対して特徴的な、魅力あるサービスを伝えることが重要です。

ターゲットの絞り込み例

  • 30-40代の子どもあり世帯ターゲット → 地域ごとの教育水準、有名校へのアクセスの良しあしや、自治体からの子育て・教育補助について詳しいプロであることを訴求
  • 単身の高年収ターゲット → 居住性だけでなく資産価値を高める物件提案や、投資用不動産購入・売却などもセットで提案できることを訴求  など

また、幸先よく顧客から相談を受けられるようになった場合も、顧客は自社だけでなく大手も含めた他の不動産会社にも同様に相談をしていることがほとんどです。複数の会社が提案をしている中、自社を選んでもらうためには、提案内容にも差別化が必要となります。

その際、大事なポイントは「会社勤めの営業にはできない提案をすること」です。会社勤めの不動産仲介の営業では、会社方針や上司からの指示を受けて、顧客を会社にとって利益の高い方向に誘導する行動が多く見られます。ノルマの期日を気にしての「買い急かし」や、自社の利益が高い物件への誘導などです。自社の提案を差別化するためには、あえて「まだ買い急がないほうがよい」と伝えたり、自社の利益の面で最良でなくても、中立的に見て顧客に合った物件を提案することで、信頼を獲得できるようになります。

幅広い人脈をつくる

独立開業を検討される人の中は、前職ですでに他の不動産会社や「〇〇さんにお願いしたい」という固定顧客のつながりを持っている人もいると思います。もちろん、そういった前職までのつながりを大事にすることは大前提ですが、過去のつながりだけでは、時間が経つにつれて集客が枯渇していってしまいます。

会社勤めと違い、会社のネームバリューで問い合わせをしてきてくれる顧客への反響営業は期待できませんので、自分から積極的に新たなつながりをつくる行動を起こす必要があります。

人脈を広げる方法の一つとして、いわゆる「業者会」と言われる、不動産会社の関係者が集まるイベントに積極的に参加してみるとよいでしょう。集客面だけでなく、物件情報をいち早くキャッチすることも期待できます。

また、せっかく会社勤めを離れて比較的自由な時間が生まれることを生かし、不動産業界以外の業種の人たちとの交流や、趣味のサークルなどに参加してみることもオススメです。意外と、不動産業界以外の人たちとの間のほうが、競合が起きにくい良い案件が生まれることもあります。

運転資金を十分に確保する

前述の通り、不動産仲介として独立開業するには、おおよそ400万円~700万円、事業の規模によっては1,000万円程度の開業資金が必要となります。

また、ランニングコストとして事務作業を担う従業員を置く場合の人件費や、集客のための広告費用などが毎月かかります。ランニングコストは事業の規模により変わりますが、当初の運転資金としては少なくとも6か月分以上の資金を確保しておくとよいでしょう。

ランニングコストと労力を抑えるためには、さまざまな事務作業や広告・マーケティングについて「自分や従業員のマンパワーで対応する」ところと、「不動産会社向けのデジタルサービスを月額費用などを払って使う」ところと、よくメリット・デメリットを比較して選定することも重要です。

経営が軌道に乗るまでに長期間かかる場合もあるので、必要なコストを事前に計算してしっかりとした資金計画をつくり、資金を貯蓄しておきましょう。

不動産エージェント会社を活用する

まだ人脈づくりや固定顧客の確保が十分でない状態で、大きな開業資金やランニングコストがかかる独立開業をするのにはリスクを感じる人も多いのではないでしょうか。その場合、不動産エージェント会社を活用するという選択肢もあります。

不動産エージェント会社とは、個人で不動産仲介を行う人とエージェント契約を行いサポートする、いま急成長している業態です。独立開業を目指す人がエージェントとなった場合、会社勤めではないので、働く時間や休日を自分と顧客の都合だけで決めることができ、ノルマや会社方針などのしがらみもありません。ただし、自分で自由に決めた個人の会社名ではなく、その不動産エージェント会社の社名を名乗り活動することになります。

収入はいわゆるフルコミッション(完全歩合制)で、成約した仲介手数料の60%~90%が自分の報酬となります。不動産エージェント会社は、残りの10%~40%を会社の収入として得る代わりに、エージェントに対して事務作業や集客などのサポートを提供します。したがって、不動産エージェント会社を活用することで、開業資金や事務作業の人件費・労力を抑えながら、自由な活動時間を手に入れて、人脈や固定顧客づくりを始めることができるようになります。そして、集客や収入が安定してきた段階で、改めて独立開業するか不動産エージェント会社のサポートを受け続けるかを判断すれば、リスクを抑えて独立開業へのステップを踏むことが可能となります。

不動産エージェント会社によって、コミッションの料率や、ほかにも契約書作成・チェックなどの事務作業や集客支援などのサポートに差がありますので、なるべくサポートが手厚い会社を選ぶのがポイントです。各社が個別に説明会を開催していますので、参加してみるとよいでしょう。

エージェント説明会情報 | エージェント参画 | 株式会社TERASS
次世代型不動産エージェントファーム TERASS への参画情報です。

不動産仲介のフランチャイズに加盟する

独立開業した際の大きなネックのひとつが「知名度がない」ことですが、知名度がある不動産仲介会社のフランチャイズに加盟することで、独立開業しながらネームバリューも活用することが可能になります。不動産仲介のフランチャイジーとして最も有名なのは「CENTURY 21」です。同社は直営店を一切持たず、すべての店舗がフランチャイズの加盟店であるビジネス形態です。

法人としては独立していますので、ある程度自分自身の方針で経営を行うことができ、顧客からはブランド認知されているフランチャイジーの店舗として認識されるので、集客面でメリットがあります。

もちろん、加盟店としての活動するための加盟金やロイヤリティ(利用料)が発生しますし、ある程度フランチャイジーのブランドイメージに沿った店舗づくりを自分のコストで行う必要があるなど、一定の制約条件があります。資料を取り寄せたり説明会に参加するなどして、自分がやりたい事業や働き方のイメージと合っているかをよく確認しましょう。

まとめ

不動産仲介では独立開業しやすいと言われていますが、やはり経営を軌道に乗せて長続きさせるためには、知恵と労力・コストがかかります。他社とどのような差別化を図るか、人脈づくりや集客プランづくり、しっかりとした資金計画づくり、不動産エージェント会社やフランチャイズ加盟などの選択肢の検討など、入念な検討と準備をして上でスタートして頂きたいと思います。

独立開業はゼロから自分ならではの事業をつくり上げていく、非常にやりがいのあるチャレンジですので、ぜひ成功を目指してさらなる情報収集を進めてください。

おうち大学

人気の相談 Top5

わが家にとってベストなエリアはどう選べばいいの?

エリア選びは難しいですよね。 まずはじめに、家探しは「エリア・予算・広さ」の3点の中でバランスをとることが大事だと言われています。選択肢を広げすぎるとかえって悩んでしまい決められないことが多いため、ご自身の知っているエリアや最初に想定していたエリアで、この3つのバランスが成り立つのであれば無理にエリアを広げる必要はありません。 そのうえで、予算と広さの希望をかなえるために、「エリアを広げて探してみよう」という場合は以下のように探してみることをおすすめします。 優先したい暮らしの条件を挙げてみる(職場へのアクセス、教育環境、緑、資産性など)上記の中でざっくりとでも、優先順位を決める上記がかなえられるエリアを、交通アクセスなら路線、資産性であれば再開発のエリアや複数路線が走っているところなどから探していく エリアに詳しくなく、③が難しい場合は、希望のエリアイメージをAgentlyで伝えてみると、提案がもらえるので試してみてくださいね。

TsutomuNarisawaのプロフィール写真成澤勉

マンションを買うのにベストな時期はいつ?

一般に、家探しシーズンといわれる1〜3月は物件の流通量が多くなりますので、「買う時期」というよりも、「家探しをスタートする時期」としてぴったりなのは年明けからだと言われています。 ですが、それ以外の時期にいい物件が出ない、というわけでは決してありません。 住宅購入は大きな買い物ですから、思い立った時にまずは相談からはじめて、じっくりと情報収集していただくことをおすすめします。 中古マンションでは、市場に出た個人や企業が持っている物件を購入する形となります。家を売る理由は本当にさまざまですので、いい物件が出る時期は読めないうえに、一度市場に出たら数日でとられてしまうようなこともあります。「こんな条件が出たら買おう!」と事前に決めておくことが大事です。 また、新築マンションの場合は、売り主はマンションを建てたデベロッパーであることがほとんどです。その会社の決算期が近くなると家具や家電などのキャンペーンが増えることがありますが、最近では新築の供給自体が減っておりいい住戸は早めに売り切れてしまうこともありますので、ほしい物件であれば時期を気にせず早めに問い合わせてみることをおすすめします。

NatsuoWatanabeのプロフィール写真渡邊夏男

マンション購入の頭金の決め方は?目安はあるの?

昔と違い、現在は頭金は0円でも購入できます。目安はありませんが、自営業や経営者の方は1割や2割の準備を必須とする金融機関もあります。 頭金0円の場合 メリット:手元に現金を多く残せるデメリット:金利が高くなる可能性がある、住宅ローンの借入額が多くなるため支払う利息も多くなる 頭金を入れる場合 メリット:支払う利息が少なくなる、借入額が少なくなるため審査が通りやすくなるデメリット:手元に残る現金が減る 今は空前の低金利の時代ですから、無理に頭金を多く入れる必要はありません。頭金を入れることに拘り、その後緊急時に手元に現金がなく別の借り入れをしてしまうのでは本末転倒です。 また、頭金は最低限にして、残った現金を運用したほうが、頭金を入れて利息を浮かせるよりも得になる場合もあるので、ファイナンシャルプランナーなどにライフプランから資金計画を相談するとよいでしょう。

Ryomizuchiのプロフィール写真水智崚

最近追加されたみんなの相談

子どもがいるのですが、マンションは音が響いてしまうでしょうか?

マンションの構造や部屋の位置によりますが、1階部分であれば足音は響きにくく、あまり気にせずに子どもを遊ばせられるでしょう。 とはいえ、音は壁伝いにも響くことがあります。子どもの遊び場となる共用施設があるマンションならば、それらの施設を利用することで日中気兼ねなく走り回ることも可能です。 また、ラグをひいたり、タイルカーペットなどで足音を軽減する方法もあります。 リノベーションなどで天井コンクリートあらわしにすると、見栄えはとてもよいのですが、階を隔てる空間がなくなる分、上下階の音が聞こえやすくなることがあります。 マンションの管理規約によって、楽器演奏の時間帯などが指定されている場合や、音が反響しやすいエントランスホールや中庭での追いかけっこなどが禁止されているマンションもありますので、気になる方は事前にエージェントから管理会社へヒアリングをしてもらうことが確実です。

SatoshiTakayamaのプロフィール写真高山吏司

見学から購入まで、おおまかなスケジュールを教えてください。

中古マンション・中古戸建ての場合、探し始めから引き渡しまでのスケジュールは、意外とスピーディーです。 ■家探しの前準備・予算や資金計画を決める・物件の条件を決める・SUUMOなどで気になる物件をリストアップし、相場観をつかむ ■物件の内覧・候補物件の内覧(2〜3物件程度見ることが多い) ■申し込み〜契約(1週間〜1ヶ月程度)・売主へ買付申込書を提出(内覧に行った即日に送るケースも)・売主と合意がとれたら契約日の設定へ・住宅ローンの仮審査を済ませる(数日〜2週間)・売買契約を締結する・売主との間で決済日(引き渡しの日)を決める・住宅ローンの本審査を通し、住宅ローン契約を進める(1週間〜3週間)・決済日に、金融機関にて物件代金の支払いと、引き渡しをおこなう 特に慌ただしくなるのが、買付の申込みをしてから決済までの期間です。住宅ローンの本審査のために金融機関に行ったり、源泉徴収票や確定申告書などの審査書類を集めたり、対面で決済をしたりなど、手続きも増えていきます。税務署など、平日に時間をつくって取りに行かなければならないケースもあるため、あらかじめ用意しておくものをエージェントに確認しておくとスムーズでしょう。 また、余談ですが内覧については必ず意思決定をおこなう方全員(ご夫婦ならばお二人揃って)で行く、もしくは一緒に見に行こう、と思えるような物件をまず見つけることをおすすめします。物件をご夫婦のどちらかが気に入り単独で内覧に行った場合、実際に買付の申込みを出す段階で「やっぱりここが気になる」「ここもチェックしたい」と、内覧に行っていない方が躊躇してしまうことが多いです。そうして時間をかけてゆっくり決めた結果、満足できる物件が購入できる場合はよいですが、近年は特によい物件ほど速く売れてしまうため、買い逃して後悔される方もいらっしゃいます。 物件を一緒に見て回れば、その過程で自然とご家族の意見がまとまっていきますので、ぜひ内覧は意思決定をされる方みんなで行ってくださいね。

SatoshiTakayamaのプロフィール写真高山吏司

車のローンがあるのですが、住宅ローンは組めますか?

車などのローンがある状態でも、住宅ローンは組めます。 ただし、限られた与信枠の中の一部を車のローンに使っている状態で新たに住宅ローンを借りるため、車のローンがない場合と比べて借入れの上限額は減るケースが多いです。 場合によっては、融資までに完済を求められたり、返済期間に遅延がない事が条件となる場合もあります。事前準備として、返済の詳細な情報が確認できる「返済予定表(償還予定表)」を用意しておきましょう。

RyosukeEguchiのプロフィール画像江口亮介|TERASS代表

50代でマンションを購入するうえでの注意点を教えてください。

おもな注意点としては、住宅ローンの完済時期があげられます。 住宅ローンの借入条件として80歳までに完済することを前提としている金融機関がほとんどのため、ご年齢によっては返済期間を30年以内にしなければなりません。   完済期間を短くすると、その分月々の支払い額が上がります。期間が短ければ最終的に支払う利息額も減りますが、老後資金を考慮していくらを毎月の支払額に設定するのか、ライフプランから考えていただくとよいでしょう。 また、健康上の理由で住宅ローンの審査がおりにくくなることもあります。団体信用生命保険などに条件がつくだけの場合もありますが、金融機関や提携の保険会社によってその基準は異なりますので、ご不安な方は複数の金融機関に審査を通していただくことをおすすめします。

YukioYamaguchiのプロフィール写真山口幸夫

20代でマンションを購入するうえでの注意点をおしえてください。

20代で購入される方は、特に今後ライフスタイルや勤務地が変わる可能性が他の年代に比べ て高いため、いざとなったらすぐに「売れる・貸せる」流動性が高いマンションを選んでおいたほうがよいでしょう。 また、たとえ年収が高くても今の会社への勤務歴 が浅いと住宅ローンの審査上不利になることがあります。在籍3年程度経っていれば問題ありません。とはいえ、一昔前と違い現在は転職が当たり前の世の中となっているため、金融機関によっては1年や半年の在籍でも審査可能です。 なお、独身の方の場合は既婚の方より審査が厳しいことと、20代で先に投資用マンションをローンで購入される方もいますが、その後自己居住用での住宅ローンが簡単には組めなくなるので、注意が必要です。

Ryomizuchiのプロフィール写真水智崚

お金のことや過ごしやすさなど、どうするべきか迷ったら

物件購入ナレッジ

2021-12-22

【2022年最新版】中古マンションでも住宅ローン控除は受けられる!受ける条件、控除金額、手続きの方法は?

【完全版】中古マンション購入の流れは?必要な期間・注意点を解説

洗足学園小学校の評判・進学率・倍率は?2021年最新版

2021-09-27

マンション売却の仲介手数料・かかる費用は?手数料無料にする方法と注意点

2021-09-07

今の年収で購入できるマンションの目安は?年収別に計算してみた結果